第40号「夏休みの読書」「夏休みの将来設計(セカンドキャリアを考える)」

1.はじめに

去る3月に「セカンドキャリアを考えよう」と思い立ち、図書館に予約していた本が、5ヵ月経過してようやく回ってきた。

予約したのも忘れかけていたが、夏休み期間中という、ぴったりのタイミングに届いたので、ちょっとしたご縁を感じた。

 

2.「50歳からの逆転キャリア戦略」

届いた本は、前川孝雄さん著の「50歳からの逆転キャリア戦略」(2019年12月2日 第1版 第1刷発行)。前川さんは、㈱リクルートで「リクナビ」「就職ジャーナル」などの編集長を務められたのち、2008年に㈱FeelWorksを設立、「上司力研修」「50代からの働き方研修」などで400社以上を支援されている。

比較的最近発行された書籍なので、トピックスや事例が新しく、頭に入りやすかった。

また何よりも、著者の前川さんは、学者さんではなく(現在は青山学院大学で教鞭もとられているようだが)、永年企業で勤務されたサラリーマン出身であり、その実体験や心持ちに一々共感できることが多かった。

 

3.人生100年時代

ところで、自分が神戸に単身赴任していた2017年、リンダ・グラットンさんとアンドリュー・スコットさんの共著「LIFE SHIFT」がベストセラーとなった。そこで提唱された「人生100年時代」の考え方は、現在、すっかり一般用語として定着した。

自分が何歳まで生きられるかは天のみぞ知るだが、人生100年を想定して、セカンドキャリアを考え、未来年表を描く必要があろう。

今回拝読した前川さんの「50歳からの逆転キャリア戦略」は、正に、人生100年時代における職業人生を考えるための良書であった。

 

4.セカンドキャリアに向けて心がけたいこと、実践したいこと

私が、この「50歳からの逆転キャリア戦略」から学び、心掛けたい、実践したいと思った内容は、以下の通り(「 」は本文の抜粋)。

(1)総論(「はじめに」「おわりに」から抜粋 )

 ・「『定年=リタイア』ではない時代がやってきた」

・「しがらみから解放され、やりたい仕事ができる未来をつかもう」

・「第二、第三の職業人生に向け、会社は『学びの宝庫』だ」

・「今の会社で他部署の仕事を学んでおくと、先々の転職・独立にとても役立つ」

・「自分の人生のハンドルを自分で握る『キャリア自律』(組織の価値観や自分以外の誰かの価値観に左右されない)をまず実現する」

・「人生100年、幸いにもまだ時間はあります。人生の後半戦は、仕事=苦役と捉えるのではなく、仕事=天職と言える職業人生を作っていきましょう」

(2)キャリアビジョンについて

・「自分の使命、やりたいこと」「働きがい(仕事内容、承認、達成感)と働きやすさ(収入、時間、人間関係)」「5年後、10年後、15年後、20年後の自分がどのように働いているか」を設計する

・自営業の方・転職してやりたい仕事に取り組んでいる方たちの話を聴く

・セカンドキャリア目線で、本・新聞を読む、講演会に参加する

・日々思いつくやりたいことをリストアップする

(3)マインドリセット・マインドセット について

・「仕事があることに感謝し、自ら汗をかく」

・「変化そのものを楽しむ」

・「『給与・肩書き』から『働きがい・生きがい』へ(プライドの物差しの置き換え)」

・「ギブ&ギブの精神で社内外の人とのつながりを大切にする」

(4)自己認識・強みの棚卸しについて

・自分の経験・スキルを体系化してみる

・社外のセミナー・勉強会に参加してみる

・強みの強化、弱みの補強のために、やっておくべきことをリストアップ

(5)キャリアプラン・腕試しについて

・「自分の本当の強みは、外に出て実践で試してみないとわからない」

・副業→複業→福業

 

なお、本書の中で、映画「マイ・インターン」が紹介されている。自分も少し前に見たのだが、セカンドキャリアを考える参考になった。 

マイ・インターン(字幕版)

マイ・インターン(字幕版)

  • 発売日: 2015/12/07
  • メディア: Prime Video
 

 

5.おわりに

前川さんの著書を拝読しながら、10年以上前に関わった新入社員研修で、受け持ちクラスの新人達に伝えたクラス運営方針を思い出した。

・心構え「明るく、元気に」「何事も前向きに捉えよう」

・行動「自ら考え、自ら実践」「先を見た動き」

・コミュニケーション「思いやりの心と感謝の気持ち」「他の意見を否定しない」

自分自身、あの時から現在に至るまで、果たして、これらを実践できたかと反省するとともに、これからセカンドキャリアを設計・実践するうえでも、これらは指針にできそうだと思った(自分が言ったことが、自分に跳ね返ってきた感じだ)。

いずれにしても、定年後、 濡れ落ち葉とならないよう、セカンドキャリアを確りと考え、ライフワークを作っていきたい。

以上